ネットを通じて家具を選ぶことが容易になった今、家具の素材というものに触れる機会は少なくなったと感じています。
家にいる時間が増え、いかに居心地良く過ごすかが見直されています。住まいを形づくる要素として家具はとても大きな影響があります。部屋のインテリアを変更しようとしていたり、家具を新しく購入するのであれば、これを機に家具選びを材質という視点から目を向けるのも良いかもしれません!
家具選びの際には材質にも注目?
家具選びというと、自分の家の理想とするインテリアに合わせるように、色や形、使い心地を考えて購入すると思います。
家具の中にも、自然素材からいわゆる工業製品まで色々な素材で作られていますが、今回は自然素材である木材に着目して、よく使われている材質の種類と特徴を学んで家具の世界を楽しんでいきましょう!
木で作られている家具の方が、温もりがあってなんとなく良いなあと思っている人は多くいると思います。それは手で触った時の感じ方や、周りに馴染む木の色が影響していて、材質によって見え方が変わってきます。
それがどんな木の種類なのか分からず、漠然とした感覚で家具選びをしている人はこの記事を読んで本物の木の選び方を知って生かしてみてください!
「家具の選び方」こんなことはあまり意識せず、自分の好きなものを購入して部屋作りをしている方がほとんどだと思います。しかし、どんな雰囲気の部屋にしたいかやテーマ性などは何か考えているかと思います。その持ち合わせているものを家具選びという視点で部屋を如何に整えていくかがポイントになっ...
よく使われている材質の種類と特徴
木材には、針葉樹と広葉樹に分かれます。住まいに使われる木材の多くは針葉樹と呼ばれるもので「肌触りが良い・香りが残る・柔らかい・軽い・加工しやすい」という特徴があることから、住まいづくりにおいて多く使用されています。
もちろん、日常的に使われる家具なども使用されています。私の家のダイニングテーブルも針葉樹で作っています!広葉樹は「硬い・強度がある・傷がつきにくい」ということから、重たいものを収納したりして、長く使おうとしている家具にはもってこいです!
1. ヒノキ
ヒノキは最良の国産材です。耐久性に富み、特有の香りを放ちます。ヒノキの名前の由来は、火を起こせるほど中の方まで乾燥しているので「火の木」からきているそうです。
耐久性に優れているヒノキは、建物の寿命に影響する柱や土台に最適な材料です。また、加工性にも優れ、丈夫で美しい木目なので内部造作材や家具、工芸品にも用いられます。
そんなヒノキは針葉樹の中でも成長が遅く、伐採期が遅いため同じ樹齢のスギよりも割高になります。特有の香りにはリラックス効果があり、温泉にもよくありますよね!
2.スギ
スギは日本各地で手に入る、手頃な価格の材料です。
成長が早いということから、「直ぐ」からきているとも言われています。戦後に人口で植えられたスギが成熟期を迎えて蓄積量が豊富なので各地で手に入りやすくなっています。
柔らかい木肌は加工がしやすいのが利点です。木材の中心は赤褐〜ピンク系、外側は白系になっており、色の違いが良く分かります。その他の特徴としては、軽量で耐水性があるので、移動を想定したものとしてアウトドアで使用する家具にも良いかもしれませんね!
3.パイン
パインは50種類以上もあり、どこにでもある手頃な素材の「マツ」として知られているものです。イエローパインやホワイトパイン、アカマツなどが家具用で使われています。
パインは柔らかくDIY用の加工素材としても需要があり、近くのホームセンターに行くと必ず置いてあると思います!値段もお手ごろで購入しやすいので、少し買ってみて自分で作ってみるのも良いかもしれないですね!木目には節が所々あるので、自然な風合いを感じることができます。
4. ナラ
ナラは世界中に数百種類以上存在しますが、日本ではどんぐりの木言うと馴染みが深いかもしれません。
耐久性に優れているため大型家具に用いられることが多いです。耐水性にも優れているので、キッチン周りの家具にもってこいですね!タモに似ていますが、木目には虎の毛並みに似た虎斑(とらふ)という模様があります。
5.ブナ
ブナは硬いのに曲げに強いという特性があるので、曲木として使用されることが多く、家具の脚や背もたれでよく採用されます。
色味は白っぽく柔らかな風合いからおもちゃにも多く使われています。きめ細やかな木目なので、木は使いたいけど、木目や質感を抑えたい人には良いかもしれません。無味無臭なので食器に採用しても良いですし、服を収納しておくチェストも良いかもしれませんね!
6.ケヤキ
ケヤキといえば、ケヤキ並木など聞いたことがあると思うので、街路樹として馴染みが深いかもしれません。ケヤキは国内の木材の中でもトップクラスの硬さです。
他の針葉樹を加工するためのノコギリで切断しようとすると刃が欠けてしまいます。特有の赤色〜オレンジ色の美しい木目が特徴的で、お寺の建築には欠かせず用いられ家具の中でも和家具の木材としても有名です。
お盆やお椀などの漆器、和太鼓や餅つきの臼や杵などとしても用いられ、格調の高さを感じさせる木材です。ケヤキは表面にオイルを塗ると艶が出て光沢が出るので一度試すと楽しいかもしれません。
7. ウォールナット
ウォールナットは日本ではクルミ材となりますが、一般的に使われているのはブラックウォールナットと呼ばれているものです。特徴としては衝撃に強く、反りや曲がりがすくないので、ソファに採用するのも良いですし、楽器用の材料としてよく使われる素材です!
また、世界三大銘木の一つにも挙げられ、色味の濃いシックな雰囲気のある木材として根強い人気があります。ヴィンテージやレトロなお部屋との相性がよく高級感を演出したいときにおすすめです。小物類より大きめの家具に使うと深い色味や艶がより際立つので良いですね!
8.チーク
チークは、ウォルナット材と並ぶ世界三大銘木の一つと言われます。2000年以上も前から愛されている歴史の長い木材で、高級家具や豪華客船などにも使われていました。
チークには天然の油分を含んでいるので、水に強く、耐久性に優れ、腐りにくい特徴があります。非常に堅いので、薄くスライスして家具の表面に張り合わて用いられることも多い木材です。チーク材は経年変化が楽しめる木材で、木目の色はだんだん濃くなり、落ち着いた金褐色へと変化していきます。
9.メープル
メープルは日本ではカエデになりますが、メープルは北米からの輸入材のことを指します。
メープルは衝撃や摩擦に強くて、材質は重く硬い事が特徴なので、家具の他に床材などにも使われています。ダンスのフロアやボーリング場の床やピンにも使用されていると聞くとその丈夫さがわかると思います。
木目が穏やかで明るい乳白色の木肌が特徴で、年数が経つと共に味のある飴色にだんだん変化していきます。メープルは「木の真珠」と言われることもあり、触り心地も良くツルツルしています。シンプルで清潔感のあるインテリアには相性が良く、作られる家具としてはテレビボードやダイニングテーブル、ダイニングチェアなど様々あります。
比較的明るい色味なので、他の無垢材を合わせるとナチュラルモダンで良い雰囲気が出ると思います!
10.タモ
タモは非常に高く大きく成長します。幹の太さは80〜100cmにもなるので均一で安定した素材を取ることが可能です。
タモは、反発力が強い木材であり、力を加えてもたわむ特性があり、折れにくい木材でもあるので、家具やフローリングだけでなく、野球のバットやホッケーのスティックなどの様々なスポーツ用品の材料としても使用されています。
タモは木目が比較的はっきりと出るので、一枚板を使ったダイニングテーブルやカウンターとして木目の美しさを味わいたいならもってこいの素材です!タモは白から褐色までのグラデーションの色が絶妙に美しく、和風から洋風まで合うので使いやすいです!
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材質にこだわった家具選びを!
在宅での仕事が増えてきて在宅環境を整えようとしている人は多いと思います。今では家具なら何でも楽天市場やAmazonなど、ネットを通じて簡単に探し購入することができます。
商品説明には天然木や仕上げの細かいところまで記載しています。しかし、ネット上では木材そのものの温もりや、触った時の手触りは感じることができません。この機会に木材の種類や特徴に少し興味を持ち、実際に木に触れて材質にこだわった家具選びをしてもらえると嬉しく思います!
材質にこだわっていると、その内ただ単なる商品選びを超えて、実際に家具を作ってみようと思えるかもしれません。自分の手で家具をつくることで、また材料に向ける目も変わってきて面白い世界が広がっていくでしょう!